ラジウム温泉


昨日、少し遠い温泉に行ってきた。
この温泉は、ラジウム含有量世界一を誇っている。


ラジウムは放射性のある金属で、体内に吸収されると
自然治癒力を高めるという。


この温泉には、いつも年末年始の頃に行く。
それは「一年の疲れを取る」という大袈裟な理由ではなく
単に空いている時期だから。
ラジウム温泉は25度から35度しかないので
多くの人達が考えるように、もう少し暖かい気候に行きたい。


でも、寒い季節の低温浴にも良さがある。
それは、顎まで浸かっていても湯当たりせず長湯ができること。
時を忘れ、深くくつろぐ。


このひとときが、至福のとき。


この温泉は、深い山間にあり
気温は町と比べ5度ほど低く、日陰は午後になっても
うっすらと雪が積もっていた。


自然の恵みを実感した一日だった。


投稿者 haruki : 2006年12月31日 09:48

旅に魅せられて


先週も、紅葉盛りの山村に行き
色とりどりの景色に心を奪われて、シャッターを押した。


このように風景に魅せられ、心を奪われて
写真を撮っていると、少年時代を思い出す。


小学校高学年の頃から、旅と写真が好きで
愛読書は時刻表、という少々変わった少年だった。


実際、友達と鈍行列車に乗って日帰りの小旅行をしたものだった。


中学になると一人旅が好きになった。
中学2、3年と、2年続けて北海道に一人で行った。
この頃になると写真だけではなく、音にも興味を持ち
鳥の声や環境音を集めていた。


カメラとともに、テープレコーダーにヘッドフォン
それに集音機にするためのビニール傘とマイクを持ち歩いていた。
通り過ぎる大人たちには、物珍しいものを観るような表情で
振り返られたものだ。



北海道では、日の出とともに起き
朝の爽やかな空気感を何とか音にして収録しようと
テープレコーダーとマイクを持って林に入った。


小鳥のさえずりや、遠くから聞こえる犬の声などしか録れなかったと思う。


でも、小鳥のさえずりや犬の声ではなく、ざーっという雑音のような音が
その場の空気感を現しているように思えて
旅から戻ると、目を閉じて、ヘッドフォンから流れるざーっという音を聴き
その空気感を懐かしんだものだ。


旅や写真は、直接仕事には結びつかなかったが
ミュージシャンの時も出版社勤務の時も、全国を回り
車中からの景色をよく眺めるのが好きだった。


出版社に勤めていた時、社長から冗談まじりに
こんなことを言われたことがある。


「普通は皆、出張から疲れてやつれて帰ってくるのに
 お前は出張に出ると生き生きする。
 お前には、放浪癖があるな。」


そして今、その放浪癖が山村巡りになっている。



先週、山村から戻り、いつもの露天風呂に入りにいく。


いつもより遅い時間だったからか
露天風呂は私だけだった。


お気に入りの岩に身体を横たえて
うとうとと、うたた寝をする。


ふと目を覚ますと、人の気配を感じた。


こんなに遅い時間から入ってくる人もいるんだな、と目を開けると
金のネックレスをした、白髪で短髪の初老の方が入られていた。


目が合うと、「この温泉はいいねぇ」と話しかけてこられた。
それから、その方が行かれた全国の温泉の話をしてくれたり
この地方のことを私が話したり、楽しい時間を過ごす。


話をしていて徐々にわかってきたのは
その方はトラックの運転手さんだということだ。


「俺はよぉ、若い頃から一匹狼でな、トラックで全国回ってきたんだ。
 若い頃は、月に15,000キロ走っていたもんだよ。
 さすがに68歳にもなると、好きな仕事しかしねぇけどな。
 それでも、一昨日から900キロ走ってきたところでな、
 あともうすぐだから、ここの温泉に立ち寄ったんだ。

 
 こうやって全国回って、その土地の温泉に立ち寄って
 そこの人と話をするのが好きでなぁ。


 この歳になると、俺が走ることよりも若い衆に
 今まで俺がしてきたことを伝えることが
 俺のやるべきことだと思っとる。

 
 荷物を積みに工場に行って、大きな元気な声で挨拶する。
 そういうことっていうのはな
 太鼓と一緒でな
 打てば響いて必ず返ってくるんだよ。


 そういう小さなことの積み重ねで、仕事になっていくんだな。」


そんな話を、温泉の話などの合間にしてくださった。
優しい温厚そうな表情と話し方だったが
若い衆の話になると眼光が鋭くなり、厳しさが伝わってきた。



結局、温泉施設の閉館間際まで、二人だけになった露天風呂で話し込む。


久しぶりに優しさと厳しさを持つ、親分肌の人に出会えた。


そして、いろいろな場所を訪ねることが好きなことを再認識したひとときだった。


投稿者 haruki : 2007年11月01日 23:01

豪雪の里


ようやく時間が出来たので
昨年末に訪れた遠くの山里に出かける。


この地域は、積雪量が多い年で5メートル以上にもなる
世界有数の豪雪地帯である。


そのような豪雪地帯には、生まれてこのかた足を運んだことがなかったので
昨年末訪れた時から待ちこがれていた。


道路脇の2メートル以上の雪の壁に感動し
朝5時から除雪車やロータリー車が動いていることに驚き
3階の屋根の上で平然と雪下ろしをする人に驚嘆する。


何もかもが新鮮である。



地元の方と話をすると
豪雪地帯での生活の大変さは切実だ。


公道は除雪車で綺麗になるが
私道は、それぞれが雪かきをしなければならない。


酷いときには、一晩で1メートルは積もるらしい。


そうなると毎朝、雪かきをしてから
仕事に出なければならなくなる。


ましてや、高齢者にとっては、さぞかし負担なことだろう。



昨夜は、その地域にある日本三大薬湯のひとつに宿をとった。


雪を見ながらの露天風呂は
風情あり、効能ありで素晴らしかった。


雪で冷えきった身体は芯から温まり
疲れが抜けていく。



風呂から出て、部屋に戻る。


夜中に、雪が降りしきる外を眺めながら、静かに座る。


雪は雨とは違い、本当に静かだ。
その静寂の世界で、1時間ほど目を閉じて座った。
容易に内面の静けさに触れていく。


この感覚は、刺激の多い都会では難しいだろう。


この地域は、歴史に名を残す数多くの師が生き
日本の霊性を深めてきた。


それは、雪に閉ざされ
否応無しに、内面に向かはざるを得なかったからかもしれない。



今日は、近くにあるブナ林に行った。


スノーシューも初体験で
道なき道を歩いていく。


よく言われることだが
足跡が全くないところを歩くのは気持ちがよかった。



最後に博物館を訪ねる。


この博物館には、国宝に指定されている縄文土器が
たくさん展示されているので、楽しみにしていた。


この地域では、火焔土器が多く出土している。


火焔土器と対座していると
縄文人の芸術性の素晴らしさと、炎のような熱き情熱が伝わってくる。


まるでゴッホのようだ。


岡本太郎氏は、この火焔土器をよく眺めていたという。
太郎氏はこのように述べている。


「日本の芸術ですばらしいのは縄文の土器と土偶のみである。」


そして梅原猛氏は、このように述べた。


「太郎の言葉として『芸術は爆発である』という言葉が有名であるが
 太郎がその言葉を発したとき、この火焔土器のことが頭にあったのではないか。
 火焔土器はまさに爆発する縄文土器といってよかろう。」



なぜ、このような豪雪地帯に縄文人は住んだのだろう。


それを知るすべはないが、このような雪深い地域だからこそ
太郎氏に「爆発だ」と言わしめた火焔土器が作られたのだと思った。


そして、その流れは、日本の霊性を深めた先人達にも受け継がれている。



生きるには過酷な地域だが
「日本の霊性」という側面では、エッセンスに満ち溢れている地域だった。


これからも、たびたび訪れよう。


投稿者 haruki : 2008年02月01日 23:08

地球の体液


先週、日本三大薬湯に行ったが
今日は、地元の露天風呂に入ってきた。


それぞれ、泉質や効能は違うが
いずれにしても温泉に入ると、心も身体も深くくつろぐ。



昔から温泉は好きだが
地元の温泉の説明書きを読んでから
それまで以上に、温泉が大のお気に入りになった。


説明書きには、こう書いてある。


「地球の神様『ガイア』から授けられた『地球の体液』と言える温泉」



地球の体液に浸かり、地球に抱かれると
心身ともに浄化され、地球から活力を貰い、生まれ変わる感じがある。


地元の温泉は塩分が濃いので、エネルギーフィールドの浄化にもなる。


週一回、温泉に入り、胎内回帰をして生まれ変わることは
健康を保つために、なくてはならないものになっている。



今日も、空気が冷たく澄み渡るなか
露天風呂で、地球の体液に身を委ねた。


目を開けると、空は、新月のために深い藍色だった。


その深い藍色のなかに、雪山が紫色に控えめに輝く。



ある時は、温泉に浸かりながら、うたた寝をし
疲れた心身が癒される。


またある時は、深くくつろぎながら、直感が冴え渡り
いろんな発想が思いつく。


やはり週に一回は、地球に溶け入り
地球から生まれたい。


投稿者 haruki : 2008年02月08日 21:22

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